お子さんがいる家庭で永遠の悩みとなるのは、ミニバンとコンパクトカーどちらを選べばいいのか。
普段から少人数で車を利用するなら、小回りが利いて車両価格も安いコンパクトカーがいいですが、家族旅行や用事など大人数で車を利用するなら、車内が広いミニバンの方が良いです。
当たり前ですよね。そんなことはわかったうえで、皆さん悩んでいるのだと思います。今回はホンダの売れ筋コンパクトカー、フィットと、同じくホンダのコンパクトミニバン、フリードを比較してみました。
果たして、どちらに軍配が上がるのか見ものです。フィットはどんな人にオススメの車なんでしょうか?
抜群の使い勝手を誇るフィット
引用元:フィット公式ページ
コンパクトカーの購入を検討しているなら、フィットのの存在を知らない人はいないでしょう。
フィットは日本でトップクラスの人気を誇るコンパクトカーです。免許取立ての若者からお年寄りの方まで、老若男女から支持されています。
軽自動車と違って5人まで乗車することができ、ファミリー層もしっかりとカバーできる車内の広さを実現しています。
フィットにはガソリンモデルだけでなくハイブリッドモデルの設定もあります。一般的にはフィットはハイブリッドカーだというイメージが強いかもしれませんね。
使い勝手の良いサイズ感と優秀な燃費性能を併せ持った、国内最強クラスのコンパクトカーです。
現行モデルの発売から数年間は大規模なリコールが頻繁にあったので、良くないイメージを抱いている人も多いかもしれません。
しかし、2017年夏に行われたマイナーチェンジで、フィットは各部を徹底的に見直し、車としての完成度を高めています。
コンパクトなミニバン、フリード
引用元:フリード公式ページ
フリードもフィットと同様、ホンダが製造・販売しているミニバンです。
ミニバンとはいっても大柄なボディではなく、どちらかというとコンパクトカーに近いサイズのコンパクトミニバンとして設計されています。
そのため、7人乗りの車(5人乗り・6人乗りの設定もある)とは思えない取り回しの良さを実現。
ボディサイズからは想像できない車内空間の広さも特徴のひとつで、3列目シートを跳ね上げることで大きなラゲッジスペースが出現します。
フィットVSフリード!どっちが優れた車なのか真剣に比較!
簡単な紹介を終えたところで、早速フィットとフリードの比較をします。
フィットとフリードのエクステリア・インテリア・車内空間・走行性能・乗り心地・燃費・維持費・車両価格、8つの項目にクローズアップ。
どちらを購入するか迷っている人はぜひご覧ください。
1.エクステリア
まずはエクステリアを解説。
引用元:フィット公式ページ
フィットはコンパクトカーにありがちな、ずんぐりむっくりとしたシルエットではなく、流れるようなスマートなシルエットを採用。
ボディのデザインにもこだわっていて安っぽさを感じさせません。
近年のホンダらしい、クールさと力強さを兼ね備えたフロントマスクを採用しています。
老若男女で好みの分かれない良いエクステリアですね。
引用元:フリード公式ページ
続いてフリードのエクステリアですが、こちらもフィット同様クールさと力強さを感じるフロントマスクです。
注目すべきはテールランプ。多くのミニバンが縦長のデザインを採用しているなかで、フリードは力強さを感じるマッシヴなデザインを採用。
このように、随所にミニバンらしさをできるだけ排除しようとした努力が垣間見えます。
しかし、やはりエクステリアの全体的な完成度はフィットに軍配が上がります。
これはあくまで私独自の評価なので、エクステリアに関してはお好みのデザインの車を選ぶのが最も正しい判断だと思います。
2.インテリア
次はフィットのインテリアをチェックしてみましょう。
引用元:フィット公式ページ
先進性を感じることができる良いインテリアです。
画像はフィットハイブリッドのインテリアですが、メーターパネルやセレクトノブから近未来的な要素を感じることができますね。
全体的にシンプルにまとめられていて、ところどころにオシャレなポイントを見つけることができます。
エアコンパネルはタッチパネル式となっていて誰でも直感的な操作ができるような配慮がされており、個人的な評価は高いです。
対してフリードはシンプルかつモダンなデザイン。
引用元:フリード公式ページ
高級感のある木目調のインテリアパネルがアクセントになっていて、非常にオシャレです。メーターパネルはフルデジタルで先進的でありながら機能的。
デザインにしっかりとこだわった完成度の高いインテリアであるにも関わらず、両サイドにドリンクホルダーを配置。
助手席前にオープントレイ、運転席前にアッパーボックスが配置されているなど、実用性もしっかりと考慮。
デザイン面でも実用面でも、フィットよりフリードの方が1枚上手です。
3.走行性能
続いて、フィットとフリードの走行性能を解説します。
フィットはグレードによって、1.3Lガソリンエンジンと1.5Lガソリンエンジンを搭載。1.5Lの方がもちろん良いですが、1.3Lガソリンエンジンでも必要十分なパワーを備えています。
ハイブリッドモデルに関しては、全てのグレードが1.5Lガソリンエンジンを搭載。
1.5Lガソリンエンジンでも十分な動力性能が期待できます。それに加えてハイブリッドシステムがしっかりとアシストしてくれるので、加速性能も申し分なし。
高速道路やバイパスでの合流をスムーズに行うことができるでしょう。
フリードはフィットと同様の1.5Lガソリンエンジンを全グレードに搭載。
ボディサイズや乗車定員を考慮すると、少し心もとないですね。
フリードは車両重量がフィットより200kgくらい重いので、パワー不足を感じる場面が多々ありそうです。特にガソリンモデルだと、乗車している人数が多いとそれが顕著になります。
ハイブリッドモデルだと、ガソリンモデルよりかは余裕のある走りができますが、走行性能はフィットの圧勝です。
4.乗り心地
国内メーカーのコンパクトカーの中でも、乗り心地に関して賛否両論なフィット。
シートや足回りが硬めにセッティングされているので、跳ねるような動きはしません。
路面が荒れていると、振動はガタガタと強く感じるでしょう。
日本人は柔らかめの乗り心地が好きな人が多いので、フィットのような乗り心地を好まない人はいます。そういう意味では好みが分かれる結果となっています。
硬めの乗り心地なのはフリードも同様です。
ミニバンはフワフワとした乗り心地が多いので、こういった選択肢を用意してくれるのはありがたいです。
ただし、3列目のシートの乗り心地はあまり評判がよくありません。
ボディサイズがコンパクトなので仕方ありませんが、タイヤの真上に3列目のシートがくるので、段差を乗り越えたときは強い突き上げを感じてしまいます。
5.車内空間
これに関してはどうしても、ボディサイズの大きいフリードに軍配が上がります。
しかし、フィットはコンパクトカーの中でも、特に広い空間を実現しています。
引用元:フィット公式ページ
後部座席は圧迫感を感じることなく、ゆっくりとくつろぐことができるでしょう。
身長の高い男性が乗ったとしても、足を組めるくらい膝回りに余裕があります。
フリードはコンパクトミニバンながら、1列目シート、2列目シート共に十分な快適空間を実現。
引用元:フリード公式ページ
ただし、2列目シートの居住性を十分に確保した場合、3列目シートはどうしても窮屈になってしまいますが、これは仕方ありません。
3列目シートを使用しないときは2列目シートをめいっぱい下げて、足を伸ばすことだってできます。
フィットもフリードも、低床設計で乗り降りが非常にしやすいです。
ただし車自体の背が高い分、フリードは頭上の空間にも余裕があります。
6.燃費
フィットの燃費はハイブリッドモデルが37.2km/Lとなっています。
これはトヨタ・アクアの38.2km/Lに次ぐコンパクトカークラス2番手の燃費となっており、非常に優秀な燃費性能を誇ることがわかると思います。
対してフリードのハイブリッドモデルは27.2kmと約10km/L低い数値。
フィットはコンパクトカーなので、ミニバンであるフリードが燃費性能で劣るのは仕方がないこと。お財布にはフィットの方が優しいという事実には変わりません。
ですが、フリードもミニバントップクラスの燃費性能を実現しています。
7.維持費
維持費はエンジンの排気量やタイヤサイズから考えると、意外にもフィットとフリードの維持費は大差ないことがわかりました。
厳密にいえば、燃費性能の面で劣るフリードが、ガソリン代の分だけ少し多めにかかる程度で、税金面や任意保険料、消耗品の類はフィット、フリードのどちらを選んでもほぼ変わりありません。
8.車両価格
まずはガソリンモデルから。
フィットのベースグレードの車両価格は約143万円となっています。
対してフリードのベースグレードは約188万円から。
やはりボディサイズが大きいフリードの方が車両価格は高値となっています。価格差は約50万円です。
次にハイブリッドモデルをチェックしてみましょう。
フィットのハイブリッドモデルの車両価格は約170万円となっています。
フリードのハイブリッドモデルは約225万円です。
こちらも価格差は約55万円なので、フィットとフリードは50万円前後の価格差があるということです。
車両価格自体はフィットの方が安いですが、乗車定員やボディサイズ、装備面での違いがあるので一概にどちらが良いとは言えません。
9.フリードにあってフィットにないモノ
フリードはフィットと同じエンジン、ハイブリッドシステムを搭載しています。
タイヤサイズも変わらないし、フリードはフィットのミニバンモデルだと言っても過言はないでしょう。
そんなフリードにあって、フィットにないものとは一体なんでしょうか?
それは両側スライドドアと3列目シートの存在です。
引用元:フリード公式ページ
スライドドアはデザイン面ではあまり優れたモノではありませんが、使い勝手は抜群。
また、フリードのボディはホンダ独自の技術によるセンタータンクレイアウトにより低床設計なので、スライドドアとの組み合わせで乗り降りがとても容易。
お子さんやお年寄りの方がいる家庭では重宝します。
また、3列目シートの存在は大きいです。5人家族だったとしても、時と場合によっては5人以上で車に乗る機会があると思います。
引用元:フリード公式ページ
そんなときにフィットだったら車2台で移動する必要がありますが、フリードだと1台で十分です。
ただし、3列目シートは狭くて乗り心地も悪いので、普段からの使用には向いてません。あくまで緊急用として割り切る必要があります。
それなら最初からフィットを買っておいて、「5人以上で車に乗る機会があるときはレンタカーを借りればいい」という意見にも頷けます。
ただ、フリードでも普段は3列目を跳ね上げて、広いラゲッジスペースとして利用するという手段をとることもできます。
10.どちらが優れているかは家族の人数と用途による
フリードに両側スライドドアと3列目シートがあるからといって、フィットが劣っているワケではありません。
たしかに、お子さんやお年寄りの方がいる大人数の家庭ではフリードに軍配が上がるでしょう。
しかし、お子さんやお年寄りの方がいても、5人未満の家庭であればフィットはファミリーカーとしての役割を十分に果たすことができる車です。
先ほどホンダ独自の技術としてセンタータンクレイアウトを紹介しましたが、その技術はフィットにも採用されています。
引用元:フィット公式ページ
スライドドアはありませんが、乗り降りは容易なはず。また1年に1度あるかないかの「大人数での移動のためにわざわざ大きい車を買う必要はない」というのもまっとうな意見です。
面倒ではありますが、そのときだけレンタカーやカーシェアリングを利用すればいいだけのこと。
なによりフィットは、コンパクトなボディサイズと高い燃費性能を持ち合わせているので、お買い物や通勤で大活躍します。
車両価格もフリードより50万円も安いので、コストパフォーマンスにも優れています。
フィットがおすすめなのはどんな人?
燃費性能が高く経済的なフィットは、どんな人にオススメの車なのでしょうか。
ハイブリッドカーは信号が多い地域ほど燃費向上が期待できます。
フィットは信号が多い地域に住んでいて、お買い物や用事で車を使うことが多い、主婦やサラリーマンにはオススメの車です。
ファミリーカーとしても活躍できます。大人数での移動こそできませんが、普段車を使用する人数が5人以下であれば、車内が広く荷物も載るフィットでも問題ありません。
これだけの魅力を備えて車両価格が安いのが、フィットを購入する大きなメリットです。
周りのファミリーがミニバンだからといって流されず、適切な車選びをしてくださいね。
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